風邪もひかない元気印の私は、33歳のときに、突然乳がんになった。
告知後、離婚したり、実家の事情で親とも疎遠になったりして、
家族のいないがん患者になった。
ドラマにある《家族の愛で支えるがん闘病》とはいかない人もいることを知る。

泣いても、わめいても、誰も来ない一人の部屋で、ヒザを抱えて、
「自分は何のために生きるのか」を考え続けた。
そのうち、部屋のカーテンも開けられなくなった。
孤独の中で、自分と向き合う日々は終わりのない闇のようだと感じた。

そんな中でも、仕事をし、治療をし、生活をし、生きていかなければならない。
人生は、厳しい。

しかし、その厳しさとさみしさのおかげで、私は、「がん患者のための生活と心のケア」が
必要だということに気づいた。
生涯で、2人に1人ががんを経験するがん大国日本で、
介護や福祉のサービスがあるのと同様に、がん患者のための生活サービスは必要だ。
だれかが突然がんを告知されても、
「納得できる治療」「安心できる生活」「自分らしい生き方」ができるように
お手伝いをしよう!これが私の人生の役割だ!と感じて、
日本初の「がん患者生活をサポートする」会社をつくることになった。
社名の株式会社VOL-NEXT(ボルネクスト)は、
Voice Of Life→NEXT(一人一人の命の声に耳をすませ、次の形に)という意味。

生活サービスの拠点「がん患者サービスステーションTODAY!(東京青山と大阪心斎橋)」で
実際にお会いして、また、全国の方とは、インターネットやカタログで治療中の生活情報を発信したり、
アイテムをご案内しながらお電話でつながっている。

2004年に起業して11年。毎日、毎日、患者さんと密に向き合い、身体と心の声を
聴き続けた。11年経っても、相変わらず小さい会社なのだが、
17万人の方と出会い、学ばせていただき、気づかせていただいたことは
この上もない宝となっている。
患者さんの治療、生活、気持ち、患者さんを取り巻く状況には、表向きとは違う現実も多い。
今、これを「伝えよう!」と切に感じ、7年ぶりにブログを書くことに。

生涯で2人に1人ががんになる日本で、
ある日突然がんになっても、
自分らしく生活し、働き、社会に貢献する意識と行動力を
持ち続けることが、あたりまえにできる社会にするために。

「今、ここ」で、何ができるか。「今、ここ」から、どう生きるか。
50を目前に曽我自身も試され続けている。

 
VOL-NEXT2008年までのブログ→ 「愛はあるのだろうか」