前回のブログ「乳房手術、どうする?①」で、いろいろと物申している私、曽我自身も、乳房をどうするかは悩みに悩んだ。あれから16年(えっ!自分でも驚くほど月日は流れていた・・・)、術式を選んだ日のことは、今もはっきり覚えている。
私の初めの主治医は、とても忙しい方で、手術の説明は手術前日の夜9時からだった。出張帰りとかで、遅い時間ではあったが、手術内容についてはわかりやすい言葉で説明してくれた。そして、
「がんの大きさは3cm弱。全摘でも、温存でもできます。温存したら放射線治療も受けていただきます。どっちにします?(いま、決めてください)」
どっち、と言われても、すぐには決められない。温存できるならしたいけれど、乳房の4分の1強を切除するとどんな胸になるのかよくわからないし、当時の私には治療の知識がほとんどなかったために、放射線治療がとても恐いものにも思え・・・どうしよう・・・決められない・・・(早く決めてださい。夜も遅いんだから・・・私も疲れてますし・・みたいな空気・・・)でも決められない・・・・
そのとき、横にいた前夫(その後離婚)に目をやると、緊張からか疲れからか居眠りをしているではないか。えっ!信じられない!こんなときに・・・(そろそろ決めてください、ご自分の胸でしょ・・・みたいな空気・・・)どうしよう・・・わからん・・・きめられん・・・
そのとき、私の後ろに座っていた母(岡山から上京)が、
「私が生んだ娘の胸を残してやってください」と、はっきりした声で言ってくれたのだ。
その瞬間、「そうか、そうだな、そうしよう!」と思えた。ありがたかった。
そのあと、病室に戻ると、すでに消灯後で、隣の方はいびきをかきながらぐっすりと就寝中。その横のベッドで、私は右乳房にそっと触れてみた。34年間、自分の乳房を意識したこともなかったのだが、乳房は確かに私の真ん中にあって、あたたかくて、やわらかくて、私を見守ってくれていたんだと感じた。初めて自分の乳房と向き合った。「ありがとう!」と言ったら涙がぼろぼろとあふれた。そのとき、病室の窓から涙目で見た新宿の夜景は、今も忘れていない。
ちなみに4分の1強の温存手術後、私は再度同じ乳房を部分切除することになり、左右の胸は全く違う大きさと形になった。いまなら、
『あまりに左右の違う温存手術をするより、「全摘+再建」で』、と言われるのだろうが、
私は、左右ぜんぜん違う乳房も嫌いではない。
手術前は、自分の乳房にメスが入るなんて、信じたくないし、想像もできないし、想像したくもなかった。でも、手術の前日、乳房と向き合った夜、たぶん、どんな胸も好きになる覚悟ができたのだと思う。そして、むしろ、いつからか、とても愛しく感じるようになっていた。
今は、温存用のシリコンパッド(←これ、あまり知られていないが、なかなかのすぐれもの!)をブラと術後の乳房の間に入れている。健側の大きさと同じボリュームになるだけでなく、やわらかなシリコンが小さな乳房をおおい、守ってくれる。満員電車で横からぎゅーぎゅーっと押されても大丈夫!ジャケットにもシワがよらない。このシリコンは私の相棒だ。
毎晩、パッドをとるときは、相棒に「ありがとねっ」と言ってあげる。そして毎日、鏡の前で左右違う乳房と向き合う。逆側の胸も年齢とともに表情を変えてきた。30代、40代、そして、先週ついに50歳になった私の乳房は、やはり私の真ん中にあり、人生を共に歩んできた愛しい存在である。ありがとう。
「温存用シリコンパッド ¥13,000+税(ブラと術後の乳房の間にはさむだけ)
温存手術後の左右の違いが大きい方には、温存用シリコン(薄型シリコン)が
とても便利。裏面に温度調整機能付(放射線治療後は汗は出ないが、
熱がこもる人がいるので、この機能がついている)。曽我、愛用中。
TODAY!でご案内。ご試着は、TODAY!青山・心斎橋ステーションで。
お問合せ・ご試着のご予約 TEL:03-3408-4035
私の初めの主治医は、とても忙しい方で、手術の説明は手術前日の夜9時からだった。出張帰りとかで、遅い時間ではあったが、手術内容についてはわかりやすい言葉で説明してくれた。そして、
「がんの大きさは3cm弱。全摘でも、温存でもできます。温存したら放射線治療も受けていただきます。どっちにします?(いま、決めてください)」
どっち、と言われても、すぐには決められない。温存できるならしたいけれど、乳房の4分の1強を切除するとどんな胸になるのかよくわからないし、当時の私には治療の知識がほとんどなかったために、放射線治療がとても恐いものにも思え・・・どうしよう・・・決められない・・・(早く決めてださい。夜も遅いんだから・・・私も疲れてますし・・みたいな空気・・・)でも決められない・・・・
そのとき、私の後ろに座っていた母(岡山から上京)が、
「私が生んだ娘の胸を残してやってください」と、はっきりした声で言ってくれたのだ。
その瞬間、「そうか、そうだな、そうしよう!」と思えた。ありがたかった。
そのあと、病室に戻ると、すでに消灯後で、隣の方はいびきをかきながらぐっすりと就寝中。その横のベッドで、私は右乳房にそっと触れてみた。34年間、自分の乳房を意識したこともなかったのだが、乳房は確かに私の真ん中にあって、あたたかくて、やわらかくて、私を見守ってくれていたんだと感じた。初めて自分の乳房と向き合った。「ありがとう!」と言ったら涙がぼろぼろとあふれた。そのとき、病室の窓から涙目で見た新宿の夜景は、今も忘れていない。
ちなみに4分の1強の温存手術後、私は再度同じ乳房を部分切除することになり、左右の胸は全く違う大きさと形になった。いまなら、
『あまりに左右の違う温存手術をするより、「全摘+再建」で』、と言われるのだろうが、
私は、左右ぜんぜん違う乳房も嫌いではない。
手術前は、自分の乳房にメスが入るなんて、信じたくないし、想像もできないし、想像したくもなかった。でも、手術の前日、乳房と向き合った夜、たぶん、どんな胸も好きになる覚悟ができたのだと思う。そして、むしろ、いつからか、とても愛しく感じるようになっていた。
今は、温存用のシリコンパッド(←これ、あまり知られていないが、なかなかのすぐれもの!)をブラと術後の乳房の間に入れている。健側の大きさと同じボリュームになるだけでなく、やわらかなシリコンが小さな乳房をおおい、守ってくれる。満員電車で横からぎゅーぎゅーっと押されても大丈夫!ジャケットにもシワがよらない。このシリコンは私の相棒だ。
毎晩、パッドをとるときは、相棒に「ありがとねっ」と言ってあげる。そして毎日、鏡の前で左右違う乳房と向き合う。逆側の胸も年齢とともに表情を変えてきた。30代、40代、そして、先週ついに50歳になった私の乳房は、やはり私の真ん中にあり、人生を共に歩んできた愛しい存在である。ありがとう。
「温存用シリコンパッド ¥13,000+税(ブラと術後の乳房の間にはさむだけ)
温存手術後の左右の違いが大きい方には、温存用シリコン(薄型シリコン)が
とても便利。裏面に温度調整機能付(放射線治療後は汗は出ないが、
熱がこもる人がいるので、この機能がついている)。曽我、愛用中。
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