いま、TODAY!心斎橋で、徹夜になりそうな仕事…続行中なのだが、
あまりに月が綺麗で、ちょっと休憩中。窓から眺めているだけではもったいないので、ベランダに出て撮ってみた。(中秋の名月2015 大阪・心斎橋)
病気になってから、私は、星より月を眺めるようになった。
手術を受けた後ぐらいから、月がとても気になるようになった。
自分の心と向き合うときは、なぜか月を見上げたくなる。
北斗さんの入院・手術の報道で、ここ数日、
TODAY!に来られる患者さんが、とても不安な様子でお見えになる。
確かに、ある新聞の報道では、<手術入院1~2か月>という表現もあって、
一般的な状況とかなり違っているのだ。
たぶん、記者の方が、もう少し確認をしてくだされば、報道のされ方は違っていたはず。北斗さんには、最大のエールを送っているが、
乳がんの患者さんは多いので、影響力が大きい。報道は慎重にお願いしたい。時間がない中で取材をするのは大変なことだと思うが、マスコミの方は、諸々確認をとる専門家のチョイスを間違ってはいけない。
乳がんの治療は、他のどのがんよりも更新が速い。乳がん専門医でさえ、
一刻も勉強を怠ることができないほどだ。
実際、現在の乳がん手術の入院期間は、およそ1週間(もないかも)。
全摘手術後、自分の組織で同時再建を行う場合は少し長い入院になることもあるが、その他の場合は、長く入院させてはもらえない。
脇付近に入れたドレーン(不要なリンパ液を排出するための管)が
取れれば、即退院となる。
患者側からすると、「もうちょっと、ゆっくりさせてよー」と言いたい人もいるだろうが。
リハビリ期間中も入院させてくれる病院や、病院の都合(ベッドの空きが多い場合)などで、しばらく入院させられる?ところもあるのだが、乳がんの手術は、内臓手術と違い、翌日から食事や歩行など、ほぼ普通に生活できるので、長い入院にはならない。
(16年前、大昔の私の手術後でさえ、術後最初に出された病院の食事は、なんと、ハンバーガーだった。一瞬、え?と思ったが、あまりにお腹がすいていたので、迷わずいただき、おいしかった~!のを思い出した。)
退院したら、すぐに仕事に出る人もいる。また、現在は、副作用の管理が進み、仕事を続けながら抗がん剤治療をしている人もいる。
先週末、TODAY!青山で、乳がん専用ブラとシリコンパッドをお求めになった患者さんは、手術退院後も、抗がん剤治療中も、ほぼ休むことなく飲食業の現場に立たれたそうで、男性スタッフと共に厨房でもハードに動かれるために、術後のお胸を守るためにもシリコンパッドが安心!とおっしゃっておられた。一人一人、それぞれの事情を抱えながらも、一歩一歩、前に進んでいる患者さんたちと、私は毎日お会いしている。
「がん」と言われたときは、だれでも驚くし、不安でたまらないだろう。
恐ろしい情報ばかりが目や耳にとびこんで来て、さらに不安になったり、
あれこれ想像して取り越し苦労を続けると、大事な選択を間違ってしまうこともある。
まず、しっかりと<正しい情報>を入手することが大切だ。
乳がん治療の場合は、長きに渡り、大勢の先輩患者さんたちが身体をはって試してくれたおかげで、「効果と安全性が確認された」ガイドラインが確立している。
「患者さんのための 乳がん診療ガイドライン2014年版
(日本乳癌学会編)」を、まず読んでほしい。
これは、書籍だけでなく、日本乳癌学会のホームページ上にも、
全文アップされている(↑リンクはってあります!)。
正しい情報や知識を持つと、見えなかった道が見えてきて、
乳がんを恐れず、主治医とこの先の治療計画を立てて、
一歩一歩進んでいくことができるようになる。
それでも、気持ちは、行ったり来たり、落ちたり上がったりするけれど、心配しなくていい。身体にも、心にも自然治癒力はある。なんとかなっていくものだ。
「前に進みたいけど、進めないよ~」というときは、TODAY!を利用してほしい。私達は、あの手この手で、前に進みたいあなたを応援する。ある時は、カウンセラー、医学用語の通訳係、主治医の言葉の整理役、心の整理をお手伝いする係、あなたが前に進むためのグッズ→ウィッグや帽子やつけ毛や下着やパッドのご案内役、仕事の相談、人間関係の相談もお伺いしつつ・・・とにかく、あなたの前向き応援団である。
北斗さんも、たぶん、病室の窓から、この月を見ているだろう。
彼女のブログには、まだ、自分の胸を見ることができない、と書かれていたが、ゆっくり、ゆっくり自分と向き合う時間は、この先の人生をさらに味わい深いものにするために与えられた大事な時間である。
自分の身体と心にしっかり向き合うことで、
北斗さんは、さらに輝き、パワーアップされることだろう。