午前5時過ぎ、両足のふくらはぎが、カキーンと同時につって、「いたたたたっ……」と悲鳴をあげて起きた。
身体をエビのように曲げて足を摩ろうとするが、痛すぎて動けない(泣)。どうしたらいいの?・・・ここ数年、私は、こういう痛すぎる、苦しすぎる事態になったとき、必ず、患者さんたちに自分が毎日言っている言葉を思い浮かべる。
「治療中、痛いところはさすりながら、しびれたところは撫でながら、
『よくがんばってるよ、大丈夫だよ、ありがとねっ』と
自分の身体に声をかけて、撫でて、やさしくしてあげてください。
身体の数十兆個の細胞一つ一つが、あなたの言葉を聞いていて、
上司の言葉を部下が聞くように、褒めたり、感謝したり、励ましたりすると、本気でがんばってくれるから。」
「え、本当なの?」「抗がん剤の副作用が出ているときに、そんな余裕あるの?」という表情で聞いているのだが、実際は、かなりの方が実践してくださっている(と報告してくださる)。
実は、私が長年、がん患者さんの生活サポートの仕事をし、患者さんと出会う中で、同じ病状で、同じ治療を受けても、「がんワールドを抜けていく人」と「がんワールドにどっぷりと留まったままの人」がいるのはなぜだろうと疑問に思うようになった。そして、その違いは何かを観察するようになった。がんの治療では、もちろん医学の力は最大限に利用していくのだが、それが100%ではない。自分自身の治癒力、回復力、復元力を高めるために、自分でできることがある。その部分の違いに注目すると、それは、話題の水素水を飲むことや、肉を全く食べないようにすることではなく、私が大勢の方と接して、一番大切だと教えられたのは、
「自分の心のあり様を変えてみる」というチャレンジだ。
今の置かれている状況や状態に対して、心でどう思うかで、その後の状況が変わっていく。ダメと思い続ければダメになるし、OK!大丈夫!と考えていけばそうなっていくのを、いろいろな場面、さまざまな形で見せられた。
そして、これは、病のときだけでなく、人生のどんな困難(大小関係なく)に直面したときも応用できることを知った。
曽我、お前はどうなの?言うのは簡単だけど、ちゃんとやってるの?
両足のこむら返り中・・・まったく余裕なし。でも、やってみよう!
「いたたたたたっ………いやいや大丈夫、よしよし、無理させたかな、冷えたかな、大ジョブ大ジョブ…ふくらはぎ、大ジョブだよ!ありがとねっ…ありがとねっ…」まだ明けてない暗闇の中で、自分への声かけレッスンは続き、カチンカチンの左右ふくらはぎは少しずつゆるんでいき、立ち上がることができた。
そして、今日は東京→大阪の移動の日。私は、毎週、東京・大阪間を新幹線の自由席で移動する。連休の初日、予想はしていたが、やはりすごい混雑。もちろん座れない。
このふくらはぎで、地下鉄の満員電車のような新幹線の通路に仁王立ち確定。
今日は座りたかった…と思いながら、いやいや、こういうときは、なにかある!なにか学びがあるはずだ!とカバンから座右の書「運命を拓く(中村天風)」を取り出し、キャリーバッグの取っ手の上に本を開いて読み始めた。
開いたページに、いきなり、
「どんな場合にも、たとえば身に病があろうが、なかろうが、運命がよかろうが、悪かろうが、その他の人生事情のいかんにかかわらず、いつも一切に対して、その心の力で、苦を楽しむの境涯に活きる活き方をすることだ・・・」と書かれてあった。
なるほど!
最近の私は、自分に何か不都合なことが続くときや、うまくいかないときは、<何か学びがあるとき>と思うようになった。そして、見るもの聞くことに、より敏感になる。それは、読む本や目にするポスターの文字や、何気ない人の言葉にも、学びのための「これだ!」というヒントをいただくことが多いからだ。苦しい時や困った時は、ちゃんと学べるように、何かを通して、神様がヒントをくれる。ここで、神様と言ったのは(私は宗教を持たないので、神様という言葉ではないかもしれないが)、50年生かされて、人間を活かしている宇宙的に大きな力、根源の力と自分の真ん中が繋がっていると感じるようになったからだ。
<苦を楽しむ境涯に活きる活き方をすることだ・・・>
はい!確かに、今日は、早朝から、そのレッスンが続いている。
足パンパンだけど、新幹線の通路で立ち読みしながら、この状況を楽しもう!と思っただけで、心と足が少し軽くなった。
東京→名古屋まで1時間45分経過。
近くの座席が空いて、私と私の後ろに立ち続けていた若者(男性)二人が3人席に並んで座ることができた。私は、一番奥の窓側の席に入り、足を投げ出し、パンパンになったふくらはぎを撫でつつ横を見ると、隣の青年たちは、さっきまで立ち読みしていたのであろうMBA講座の本を座席テーブルに置いて、「あ~座れた~~~」と言いながら、二人でほっとしたように顔を見合わせていた。
その数秒後、赤ちゃんを抱いた夫婦が名古屋から乗り込んできた。次の瞬間、ものすごくすばやく、青年たちは、さっと立ち上がり、「どうぞ、座って下さい」と席を譲った。なんというさわやかさ。すがすがしさ。ナチュラルさ。すばらしすぎる!いま座れてほっとしたばかりなのに、すぐに立ち上がり、席を譲るすてきな青年たち。神業のようだった。私は、なんだかとても幸せな気持ちになった。お母さんも赤ちゃんも嬉しそうだった。よし、次は私も、真似しよう!彼らは、これからの日本を引っ張り、世界でも活躍する人たち、まちがいなしだ。新大阪に着いたときは、足の痛みもなくなり、地下鉄駅から走ってTODAY!心斎橋へ。青年たちのおかげで、とてもさわやかな気持ちのまま仕事スタート。術後の下着とシリコンパッドを合わせに福井から来られた仲良しご夫婦をお迎えした。その次の方も、長野から来られた方。連休は、遠方からお見えになる方も多い。夜には足の疲れも吹っ飛び、幸せに仕事を終えた。本日のレッスンと学びに感謝しよう。
どんな状況の中でも、たとえ、病に伏せたときも、困難で一歩も前に進めないと思うくらい苦しい時も、それでも、苦を楽に変える心の力を持っていれば、幸せに生きることができる。この心が、「がんワールドを抜ける」ためにも必要なのだ。
「しあわせは、いつもじぶんのこころがきめる(相田みつを)」
私の座右の書の中には、
「人生は心一つの置きどころ。人間の心で行なう思い方、考え方が、人生の一切を良くもし、悪くもする。というのが人生支配の根本原則である(中村天風)」と書かれている。
え、そういうの、よくあるけど、なんかね~、信じがたいよ~という方もいるだろう。私も、長い間そう思っていた。そして、がんワールドに長くとどまり、もがき続けた。
でも、「ああでもない、こうでもない、あれダメ、これダメ、何も悪いことしていないのに、仕事のストレスがよくない、あの人のせいかしら、私もうダメ・・・」と言っていても、なにも、何一つ、いいことは起こらない。それどころか、自分の言葉で、まわりの人も心配させたり、不愉快にさせたりしていることに気がついた。だれも幸せになっていない。むしろ、自分の言葉が、公害になっているかも。そう思ったとき、だったら、一度、試してみよう、自分の心を変える、言葉を変えるレッスンに入ろう。そして、それが体感できたら、今度は、皆に伝えよう、と思うようになったのである。
がんワールドを抜けきった現在の私も、
人生ワールドで、しばしば宿題を与えられ、次のレッスンが始まる。
苦を楽に変える、困難を感謝と喜びに変えるレッスン。
どんなときも、とにかく、やってみることだ。
この心の力を鍛えれば、限られた人生、なにがあろうが、幸せに生きることはできる。
もし、あなたが、「がんワールドを抜けたい!」と本気で思うなら、
曽我は、ウィッグや下着をご案内しながら、生活と心の相談でお話をお伺いしながら、「がんワールドを抜ける」「前に進む」ためのお手伝いをさせていただきます。ぜひ、TODAY!をご利用ください。
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