今年最初の満月。窓越しに神々しい光を見上げながら、ゆったりと椅子に座って何も考えずに過ごす自分癒しの時間30分。充電のように充光。私自身、自分癒しは必要だ。20160124
さて、本題。ホルモン療法中の患者さんから、ホルモン療法中の無気力やもやもや感について質問を受けることがよくある。先週も、TODAY!にお見えになった患者さん数人から立て続けに相談されたので少し書いてみることにする。

乳がんの患者さん全体の70%~80%の方が、女性ホルモンがエサになって増えるタイプのがんである。え、女性ホルモンって、女性の身体に大事なものじゃないの?と思いながらも、それがエサになって増えるというのなら、がん治療としては、体内からエサを減らすようにしたり、エサを取り込む口(受容体)をふさいだりすることもやむを得ない。婦人科で更年期障害が強く出たときに行う「ホルモン補充療法(HRT)」とは<逆>で、乳がんのホルモン療法は、身体から女性ホルモンを敢えて減らすのだ。詳しい説明は、患者さん向けガイドライン(日本乳癌学会編)Q52を。

医師からは、「抗がん剤に比べると副作用が軽い」とか、「とくに大変なことはない」と事前の説明を受けることが多い乳がんのホルモン療法。実際に副作用がほとんどないとか、あっても気にならない程度の人もいるのだが、一方で、身体と心がすっきりしないために、「私、どうなっちゃったの?」と悩み続けている人もいる。horumon-fuchopg
ホルモン療法の副作用について主治医に相談すると、ホットフラッシュ(突然のほてり、のぼせ、大量の汗、そのあとの冷えなど)や骨への影響(骨密度が減少)についての説明はあっても、

<もやもや、いらいら、落ち込み、気力が出ない、集中力や記憶力が低下、眠れない・・・>などのことは、

「気のせいでは!」とか、「がんになったことへの不安から、そういうこともあるかもしれないね~」ぐらいの返事で終わることが多い。医師に何度も訴えると、「じゃ、心療内科行きますか?」とか、病院によっては「サイコオンコロジー(精神腫瘍学)(←非常に少ない)の先生に相談してみますか?」というようなことになるのではないだろうか。

先週、乳がん術後専用ブラジャーをご試着に来られたTODAY!リピーターのKさん(30代の方)も、ホルモン療法を続けておられる方だが、気分のもやもやした感じや無気力が続いていて何もする気にならず、毎日お仕事から戻られたご主人に、「僕より元気そうなのに、ゆっくりしていていいよな~」と言われるようになり、「とても悲しい。見た目は治ったように見えるかもしれないが、何かしようと思っても全く気力が湧いてこない。いままでやってきたこともやりたくない。こんな自分が嫌になってしまう。」とおっしゃっておられた。

また、曽我の「生活と心の相談」を利用されたホルモン療法中のMさん(50代)は、「家のことを何もする気が起きないので、仕事で忙しい娘に食事の支度や家事を任せきりにしていたら、突然娘がキレてしまって・・・(涙)。最近、物忘れもひどくなり、気分が落ち込んだまま、すっきりしない。<ホルモン療法しているからでしょうか>と主治医に相談したら、<そんな副作用はない。気のせいだ。>と言われた。私、どこかおかしくなったのでしょうか。」と心配しておられた。

これは、「気のせい」ではない。「がんの不安で、おかしくなってしまった」ということでもないだろう。もちろん病気と治療による心理的ストレスが大きく、状況によって、臨床心理士の先生やサイコオンコロジー科などをおすすめすることもあるのだが、お話をお伺いしていると、ホルモン療法での女性ホルモン(エストロゲン)低下の影響と思われる不調がとても多いように思う。

治療であえて低エストロゲン状態にしたり、ホルモンバランスを崩したりしているのだから、更年期障害のようなものが出てきても、全くおかしくないだろう。もちろん、通常の更年期障害も、全員に出るのではなく、「本人を取り巻く環境」や「本人の気質」にも関係して、出たり出なかったり、強く出たり弱く出たりするのであろうが、それにしても「気のせい」と終らせてしまうのは乱暴すぎる!

乳がん治療の主治医が、治療のホルモン療法の説明だけでなく、「女性ホルモン」自体の説明とその低下でどんなことが起こる可能性があるかを少し説明しておいてくれたら、「私がおかしくなったのかしら」というようなことを思いながら、ながながと悩ましい日々を送らなくてもすむのではないだろうかと、私はずーっと思ってきた。

と、曽我が語気を荒げているのは、私自身もかなりキツイ体験があるからである。長くなるので、次のブログで私の体験とキツイ最中にどうしたかを書くことにする。

今夜も眠れないという人は、月を見上げてみてほしい(この時間は、もう、大分高い位置に上っているよ)。アロマのエッセンシャルオイル(精油)の好きな香りをティッシュに数滴たらして、枕元においてみて。大丈夫、あなたは守られている。おやすみなさい。
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心のバランスと眠りを大切にする<リラックスの香り>は、こんな精油↓
ベルガモット・ネロリ・オレンジ・ラベンダー・サンダルウッド・ローズウッド・フランキンセンスなど

ホルモン療法中の身体と心の不調は、「生活と心の相談」でお伺いしています。

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