今日のタイトルの「先生」は、ドクターではなく「教師」である。

がん患者サービスステーションTODAY!に来られる患者さんの中には、教職の方も多くいらっしゃる。幼稚園から小、中、高、大学、専門学校、塾の先生まで。昨年末から年始にかけて、先生が数人続いてお見えになったので、このブログを書くことにした。

先生の中には、できるだけ子供たち、児童、生徒、学生たちにがんであることを伝えずに、分からないように治療をされる方も少なくない。数ヶ月〜半年ぐらい休職して治療に専念する方もいらっしゃる。

子供たちや父兄、同僚に心配をかけたくない。迷惑をかけたくない。弱いところは見せたくない。自分ががんになるなんて信じられない。こんなに頑張ってきたのに、なぜ?ストレスのせいかしら・・・。受け入れ難い・・・。いろいろな思いがあるだろう。

特に先生という立場上、<いつも元気ハツラツで頑張っている!のが当たり前>という意識があるからなのか、がん告知を受けた後、治療や闘病生活を考えると気分が重くなり、ガクンと落ち込まれる方もいらっしゃる。

 

そんな中で、昨年末に来られた小学校のベテラン先生は、
「抗がん剤治療中も休まずに仕事を続けます!」と明るくおっしゃった。
sensei-ganba
この先生は、子供たちにも、お母さんやお父さんたちにも、
「治療を続ける自分の姿を見てもらいたいのです。」とおっしゃった。

がんであることを父兄の皆さんに伝えたときは、お母さんたちの中には涙を流していた人もおられたそうだ。<がんは大変なこと。不幸なこと。>と特別なものとして扱われることがまだまだ多い。

しかし、<生涯で、二人に一人ががんを経験する>現在の日本で、がんになることはもう珍しいことでも、特別なことでもない。

子供たちのお父さんやお母さんが突然がんになり治療することもあるだろうし、子供たち自身が、人生のどこかのタイミングで、がんという病に出会うこともあるだろう。がんじゃなくても、様々な病気や突然の困難に会うこともあるだろう。

そんなとき、どうするか。どう考えて、どう動くか。

この先生がこれから行う「大事な授業」が活かされるに違いない。がんの専門家を呼んできて行う「がん教育」ではなく、先生の姿で伝えられることが、むしろ多くあるはずだ。がん治療中も、互いに学び合う大切な授業となるだろう。

「承知しました!安心してお仕事ができるようにしましょう!」と私も張り切った。

ウィッグは素敵にカッコよく、お帽子も気持ちまでパワーアップ!する色とスタイルのものを一緒に選んでいった。脱毛の様子やケアの仕方、治療中の具体的な留意点もお伝えしながら。(先生がますます輝き、子供たちに「先生、前よりもっとすてき!」と言わせたいな~、と、曽我もくろみつつ…)

その間、先生も、ここまで長い間、学校で頑張り抜いてこられたことをお話してくださった。そして、少し涙をこぼされた。「人前で泣いたの初めて…」とおっしゃった後の笑顔に、静かなパワーがみなぎっている。大丈夫!前に進もう!

強く見せて、弱気な自分もいる。頑張ってきた人ほど、弱い自分と対峙させられる。

人間は完璧じゃない。弱くたっていい。泣いたっていい。

強さも、弱さも丸ごとOK!にすることを自ら経験したとき、経験した人だけが発露する優しくて力強い姿、言葉、まなざしがある。

真に自分らしい、飾らない、生きる姿を目の当たりにして学ぶことができる生徒は幸せだ。
susume2017
子供達は、この先の人生の道で、先生の姿や言葉をふと思い出すときがあるだろう。とくに、障害物が目の前に現れた時、分かれ道に立たされた時、苦しい時、踏ん張る時、新しい道に進む時に。どんなときも、人は前に進めるということを信じることができるだろう。

先生の体を張った授業がスタートした。顔晴れ!


これから治療が始まられる方は、こちら↓治療中も、自分らしく働き、生活することを全力で応援中
******************************

がん患者サービスステーションTODAY!
ショッピングモールTODAY!
■治療のための生活と心の準備(ご試着サービス)
■生活と心の相談 (曽我のカウンセリング)

お問合せ・ご予約 (東京)03-3408-4035 (大阪)06-6224-3064